【心の名機】パチスロモンスターハンター月下雷鳴(エンターライズ)

心の名機

(※こちら2015年に書いたエントリの移植です)

デカい獣はそれだけでゴイスー。
これはとても大切なことなので繰り返そう。
デカい獣はそれだけでゴイスー、なのである。

例えばアメリカには「ホグジラ」というモンスターがいる。
ホグジラ。別名「メガホッグ」。
つまりデカいブタである。
ただデカいブタなら「デカいブタ」で済む話なんだが、あまりにもデカすぎて「ホグジラ」とか呼ばれてる。
つまりそのレベルでデカい。
とある資料によると、体重は300から400キロ。ウィキによると500キロであるとの事。
まあ実際そんなでけぇブタなんぞ居るワケがないので完全に嘘っぱちなんだけども、実際に「体重500キロくらいありそうなでけぇブタ」の死骸の写真なんかが公開されてたりするので、あながち完全に居ねぇと言い切れねぇ気がする。
言っても地球は広いからな。
何かそういう超でけぇブタが居てもよし。

あるいは、ダイオウイカ。

いわゆる「海の司祭」とか「クラーケン」とか、そういう海難事故を引き起こす巨大生物のモデルになったイカだ。
単なるイカじゃないぜ。デカい……いや、超デカいイカだ。
ウィキによると(また)そのデカさたるや何と全長で18メートルとの事。
18メートル……18メートルだと!
18メートルっつうと、ジャイアント馬場が九人縦に積み上がったサイズだよ!
ヤバイデカすぎる! 馬場さん三人分くらいが人間の認知できるデカさの限界だと思うけど、九人分だからな。
あまりにデカすぎてクトゥルフの神に覚えるようなコズミックホラー感を感じるね。
ホント、文明社会のあらゆるものより大体でかい。
これに勝てるサイズっつったら「ビル」とかの「建造物」のみになるからね。
建造物どころか、生物だから。馬場さん。じゃなくてダイオウイカは。
生物で18メートルってクッソヤバイよ冷静に考えたら。
んでコイツNHKが撮影してるからね。泳いでる所。
つまり実在してるどころか深海に普通に居るんだよ。
こわっ! イカこわっ! 海やばい!

というわけで今回はエンターライズの「モンスターハンター月下雷鳴」について。
マジで超名機だったよ!

●巨大生物。

しつこく巨大生物の話を続けるけども、普通にキリンがビビる。
キリンって結構不遇な扱いを受けてるんだけど、考えようによっちゃコイツマジで凄いよ。
なんかクビ長くてオットリしててうふふみたいなイメージじゃん? キリン。
なんか柄も結構熱そうだしいい感じでキリン感あるんだけども、コイツ間近でみたらびっくりするくらいデカいよ。
マジで。ビビるから。見たことない人は見たほうがいい。キリン。リアルで見たら一撃で嫌いになると思う。
俺も実際にこの目でリアルキリン見たことあるけど、ライオンとか象より全然怖かった。
異様に高いところに顔あるし、キリン柄だし、「あ、コイツは話通じねーわ」って恐怖みたいなのを感じたね。
デカい(というかキリンの場合は細長いんだけど)というのは、それだけで怖い上に「意思疎通できなさそう」な感じがすげー加速するんだ。
例えば軽自動車くらいのサイズだとするとまだ「あら、可愛い」ってなると思うのね。
お耳の形がちょっと変なんだけどもそこがまた愛らしいし、柄は熱そうだし、いいじゃないキリンさん。って思うかもしれねぇんだよ。
でも実際クレーン車くらいあるからコイツ。
クビが長すぎるんで目立たないけど、足もすげー長いよ。
なんかもう色々おかしい。
しかもコイツぼくらの仲間である「哺乳類」に違いないわけで、んで哺乳類の頚椎の数って共通なんだよ。
つまり俺らとこいつら、クビの骨の数一緒なのね。
こんだけなげーんだからものっそい数の骨がズラァって並んでると思うじゃん。
7つしかないから。
んでその7つがニョローっと伸びてあのクビの中に入ってるんだよ。
キモいだろキリン。
完全にキモい。
デカいしキモい。
ヤバイ。
ただし柄は熱そう。

あとは巨大生物代表というか代名詞というか、忘れちゃあいけないのが「象さん」だよね。
象さんは赦す。
象さんは可愛い。
俺象さんに乗ったことあるんだけども、なんか操縦席(?)みたいなのにタイ人が居てさ。
そのタイ人、藁の葉っぱみたいなので象さんのケツとかをペシペシ叩くのね。
んで叩かれた象さんはのっしのっし歩いて、そんで公園を一周するの。
で、途中ですげーウンコするのね。
象さんマジですげーウンコするの。
「あらあら。いいじゃない」ってなったね俺は。
ウンコしてる時の象さん、どれだけ藁でペシペシされてもぜってー動かねぇんだよ。
パイロット(?)のタイ人も諦めてスマホいじってたし、あれはすげー平和な空間だったよ。
聞く所によると古代、ペルシアでは「象兵」ってのが居たらしくて、つまり戦(いくさ)に象を利用してたそうなんだよね。
たしかにね、馬力あるよね象さんは。
皮膚も硬いしヤリとか弓とか全然効かないだろうから、かなり突進力あると思うよ。
ただウンコ待ちのウェイトが発生するから。象さん。
一瞬の機を逃さず、横合いから薙ぎ払えい! つって将軍が命令下しても、象さんウンコしてたら突撃不可だから。
これはズルい。可愛い。象さん可愛い。
ただめっちゃ臭かった。象さん。獣臭ハンパねぇ。

とりあえず、デカい生き物ってのはホントにそれだけでゴイスーだよ。
無条件で畏敬の念みたいなのを抱く。
コレに関してはやっぱ我々が原始時代に感じてた「根本的な生存欲求」に由来する「危機感」だと思うんだよね。
やっぱデカい生き物って基本的に襲ってこられたらもうアウトだし。
太刀打ちできねぇからね。
我々が今彼らを制圧してんのは重火器とか弓矢みたいな武器があるからであって、それがまだ発明されてない時代はマジで空手で挑むしかないわけでさ。
ダイオウイカと海中でバトルするときにチョップとかしてもHPゲージ1ミリも削れねぇだろうし、勝つの不可能なんだよ。マジでこれ。ぜってぇ勝てねぇ。
だからもう古来より人は「君子危うきに力寄らず」つっって、大体逃げてたと思うんだよね。
そういう由来があって、かつ、そうやって逃げてた類人猿が我々の祖先になってるわけでさ。
DNAに「デカい生き物は怖い」ってのが刷り込まれてるに違いねぇ訳で。
それが、そういうのに本能的に感じる恐怖感とかゴイスー感につながってると思うんだよね。

さて、こっから本題だけども、そんな巨大生物を狩りまくる大人気ゲーム「モンスターハンター」の二回目のスロ化が本作、「モンスターハンター月下雷鳴」である。

●エンタラのモンハン。

前作はロデオが出したけども、本作はカプコン謹製……というか、カプコングループの「エンターライズ」が作ってる。
今はカプコンの屋台骨の一つになってる超優良シリーズをカプコン御自ら作るということでその気合の入れようもハンパじゃなかっただろうけど、実際出来上がったものはマジでモンスターだった。
システムその他に関して深く語るのはよすけども、誤解を恐れず言うならば、俺この台が今は一番好き。
一番ってのはつまり、古今東西で打ったスロの中でベストだよ。
好きな台のトップ3は今まで「ハードボイルド」「エコトーフ」「スーパーリノ」だったけども、とうとうスーリノが3位から転落してどっかにすっ飛んでいった。んでハドボとエコトーフが地滑り的にスライドして、空いた一位に月下雷鳴がズドンと落ちてきた感じ。
スロり始めて十五年。いままで300機種くらいは打ってると思うけども、本気でコイツが一番だと思う。
ただこのベスト3って体調とかによって変動するんで、あくまでも「今は」だ。
明日の朝改めて考えたら「やっぱハドボがいいや」ってなるかもしれないし、どうかしてる時は「キタチャンカントリーが一番かも」とか思うかもしれない。あるいは「爆釣」とか「ビンゴ」とかが来る可能性も高いし、「なんだかんだで初代北斗が一番だな」って答えに落ち着く可能性も高い。
重要なのは、それらレジェンド級の名機に比肩しうる程度には、本機がバチッとツボにハマったという事実であって。
時代背景とかシステム的なシバリやら規制の影響やらを考慮して考えると、このご時世にこのスコアを叩き出す名機が生まれたというのは、本当に凄い事だと思うよ。

てかエンターライズはホントにすげえ。

俺、結構マジで2014年はこの台が無かったらスロから離れてたと思う。
んでこれって2013年にも「バイオと攻殻機動隊がなかったらスロから離れてたと思う」っつって全く同じ事思った経緯があるし、んでバイオもまたエンターライズの台でありまして。
そう考えると、俺は二年連続でエンターライズのトラップにバッチリ引っかかってスロから足が洗えずにいるわけでさ。
全く、罪深いメーカーだよね。
エンターライズめ。
まあ辞める気なんざ毛ほどもねぇけども。
むしろサンキューだよ!

サンキュー! エンタラ! 今後もこの調子でよろしくオナシャス!

で、とりあえずモンハンの話はこれでよしとして、さあ巨大生物の話に戻ろう。(え!?)

●デカい蜘蛛。

巨大生物と聞いて思い出すのは色々あるけども、実際見た巨大生物の中で最もインパクトがあったのが「蜘蛛」なんだよね俺の場合。
以前木造の一軒家に住んでた時の話なんだけども、夜寝てる時に割りと近くから「ガササササッ」って尋常じゃない這歩音(ほうこうおん)がしてね。
これゴッキーか!? と思って慌てて飛び起きて電気付けるじゃん?
なんもいねーんだよね。
俺自慢じゃないけどとにかく虫が大嫌いでして。
マジで何より嫌い。
一回でも虫がでたら引っ越し考えるレベルで超嫌い。

虫が嫌いな人間が不快害虫と出くわした時の行動って二つに別れるんだよ。
消極的解決策をとるひとは、見なかったことにしてガクガク震えながら、電気つけたまま寝るんだ。
んで積極的解決策をとるひとは、ガクガク震えながらもサーチアンドデストロイする。
デストロイするまで絶対寝ない。何時間でも微動だにせず、不快害虫の足音に耳を澄ます。
右手にスプレー。左手にうちわを持った状態で。

……うちわ?

俺はまさしく「積極的解決策」タイプで、ゴッキーとか蜘蛛とかが嫌すぎて見つけたら絶対に殺す事にしてる。
というか殺さないと眠れないからだ。
んでその状況での俺の装備が「スプレー」と「うちわ」なんだよね。
うちわは何に使うかというと、特攻防止の為だ。
好音性の不快害虫って、人間に向かって飛んできたりするんだよ。あいつらマジで馬鹿だけど、人間の嫌がる事を徹底して熟知してやがるからね。
壁に張り付いてる状態でスプレーをプシューッとやると、いきなり羽ばたいて一直線にこっちくる場合あるから。
うちわがあるとホントに心強いよ。
うちわっつっても風起こしても意味ねぇ。
どう使うかというと、スマッシュだよ。
つまり飛んでくる不快害虫を叩き落とすのです。

壁にGいるとすんじゃん?
プシューするじゃん?
こっちくるじゃん?
はいスマッシュ!
そんで畳の上のGにプシュー。
ジエンド。大勝利!

まあそんな状況になったことねぇんだが、「もしこっちに飛んできたら」と考えると気持ち悪くてしかたねぇから、とりあえず「うちわがあればダイジョウブ」って自己暗示かけてる感じ。
実際飛んできたら何もできねぇと思うけどもね。

で、その時も定番の装備を整えて耳を済ませてたんだけども、いくら待っても足音一つ聴こえねぇ。
どこにいるかサーチするこの時間は、本当に緊張する。
足元がやたら気になるし、兎に角五感が冴え渡って、自分の鼓動すら聞こえる気がするよ。

ところが、普段は五分も索敵すれば大体の位置はつかめるはずの不快害虫の位置が、その時はまったく補足できなかった。
変だなぁ、と思って時計を見た瞬間、俺は卒倒しそうになった。

なんか、壁掛け時計の隙間から、異様にデカい足が伸びてた。

あきらかに蜘蛛だった。

え、なにこれ? と思ったね。
めっちゃキモいんだけども、むしろデカすぎて「すげえ」と思った。
あと「どっから入ってきたんだ?」って率直な疑問も湧いた。
さらには「蜘蛛はGを捕食する最強のプレデター」で「益虫」という情報も思い出した。

そう。
そいつは(足しか見えねぇが明らかに)アシダカグモさんだったのです。
俺は生まれて始めて対面するアシダカ軍曹に敬意を表するつもりで、なんとなく手に持ったうちわを手裏剣みたいにして投げて、時計にぶち当てた。
ホントに何気ない行動だったんだが、時計が立てた音と振動にビビった軍曹は、その隙間から姿を現し、白い壁を一直線に、天井の方に疾走っていった。

おれは思わず呻いたね。

デカすぎてキモいなんてもんじゃ無かった。
Gは確かに不快害虫だが、見た目のインパクトは完全にアシダカグモさんの方がヤバかった。
ホラーだよこれはもう。
めっちゃでけぇ蜘蛛が「ツタタタタッ」って這歩音を立てて壁を疾走る。
しかもすげー早い。
超速だよ。
これは確かにGに追いついて捕獲するわこいつ。
頼もしいけど俺にとってはどっちも害虫。
これはちょっとヤバイだろと、そう思った次第。

軍曹は壁面を伝って三次元的に俺を迂回すると、タンスと壁の隙間に逃げていった。

「……よし……わかった。オーケー」

俺はその夜、初めて虫に負けた。
消極的解決策。
つまり「そのまま見なかったことにして寝た」のだ。
理由は簡単だ。
勝てる気がしなかったからだ。

それ以来、その家で軍曹の姿は見なかった。
ついでにいうと、一夏に一度はみてたGの姿も、綺麗さっぱり消えてなくなった。
どうやら蜘蛛が益虫というのは、マジの話だったようです。

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