【人間模様】愛すべきホールの怪人たちよ。

人間模様

You should have known
The price of evil And it hurts to know
That you belong here, yeah
Ooh, it’s your fuckin’ nightmare

アヴェンジド・セヴンフォールド『nightmare』より。


さて。
いきなりで悪いけど、さっき「ニンテンドースイッチ」で遊びながらパチスロ打ってる兄ちゃんが居た。
マジである。場所は浅草だ。良く分からんけどRPGっぽいの遊んでた。しかもその兄ちゃん、半袖シャツからタトゥ丸出しの状態で白手袋とグラサンしてて、なんかもうどっから突っ込めばいいのか良く分からんかった。
白手袋はまあ、メダルの毒粉が手に付かないようにしてるんだろうけど、いや、スイッチは汚れていいんかいとか。あるいは屋内でグラサンしてるひと三年ぶりくらいに見たとか。あとシンプルに半袖は寒いべとか。
刹那の間に色んな感情が湧いては消えて、最終的にどうでも良くなった自分に驚いた。
もはや摩耗してるのである。

そう。

長くパチスロを打ってるとどうしても麻痺しちゃう部分もあるのだけども、改めてホールを見渡してみると、そこには奇人とか変人が無茶苦茶一杯いて、なんかもうムツゴロウ王国みたいな感じになってるのである。5スロコーナーとか特にそう。ワイルドボーイズしかいない。めっちゃ野生なのだ。

昔はそういう人を見かけるたびに心の中で思っクソ突っ込んでたんだけども、やっぱなぁ、歳取ると駄目だよ。なんか無駄にスルーしちゃう。
「そういう人もいるだろう」みたいにね。
老化だよこれは。
駄目だね。ちゃんと突っ込んで、心に刻み込んで行かないと……。

とうわけで今回はリハビリがてら、俺が今までの人生で出会ったインパクトのあるお客たちを振り返ってみたい。

どうぞ。

●東日本最凶のモンスター「ヅーラシェイカー」さん。

ヅーラシェイカー氏。
この人は俺の人生でベリー・ベスト・オブ・変人だと思う。
たぶんこの人を超える人は出現しないだろう。
最強にして至高。まともな部分が1ミリもない、何から何までが狂っている男だった。
まず彼は名前からも分かるようにヅラだった。
いや、ヅラである事は別に悪くない。男は「ハゲ」「デブ」「インポ」の三つの十字架を背負って生まれてくる生き物だし、ハゲている事は全然悪くない。俺もハゲかけてるし。だから全然問題ないのだ。だが彼の場合、頭部におカブしてる装備があまりにもヅラ過ぎた。
なんだろう。俺生涯であんなに自己主張が激しいヅラ見たことないもん。
なんかヅラの造形もイカれててちょっとマッシュ入ってんだけども、それが操縦席みたいにポツンと頭頂部に載ってて俺一瞬「あ、さてはこっちが本体だな」ってなったもん。

そして彼の場合、その野性味あふれるプレイスタイルがとにかくワンパク過ぎた。
信じられないかもしれないけど、彼はまず朝一に限度いっぱいまで貯メダルを下ろし、それをかき氷みたいにこんもりとモリモリした状態で箱を持って台選びするのだ。
んでカニ歩きするたびに何故かそのカチ盛り箱を店員さんに運ばせる。
クソ迷惑である。
しかも彼はちょっとハマったり激アツを外すと般若みたいな形相で店員さんにクレーム付けるという出禁レベルのアクションも平然とやってのけていた他、常連同士でゴリゴリに喧嘩したり普通にやってた。
さらに、その代名詞にもなってる得意技がホール内に響き渡る音量のハードコアなドル箱シェイクだった。シャッカシャッカシャッカシャッカ、本気でヤバかった。竹原春泉の『絵本百物語』に出てくる妖怪『小豆洗い』が実在したらたぶんコレだろうなって勢いでシャカシャカやっててさぁ。
あ、小豆洗いわかる?

コレね小豆洗い。これに黒いコックピット乗せればヅーラさんなんだけども、なんかもうねぇ、同じスロッターとして襟を正す部分が正直あったんだよね彼。こうなったら終わりだぞみたいな。たぶんあのお店の若いスロッター達は、ヅーラ氏の背中をみて反面教師にしてた部分は絶対にあると思う。俺もちょっと勉強になったもんね。なんかスーツだしヅーラさん。手ぶらだったし絶対無職なんだよ。でもスーツなんだ。朝から手ぶらでスーツで並ぶんだよ。いよいよフォースの暗黒面に堕ちたらああなるんだぞと思って。何かしらんけど反省したもん俺。
ちなみに一回友達の「わたやみー」という男と連れ打ちした時にヅーラさん見せたらほんとにビックリしてたからね。なんなら「早く出ましょう」くらい言ってたし。危険をキャッチされてるから。ヒノノニトンかっつうの!

ちなみにこれだけボロクソ言ってるけども、俺自身はヅーラさんはそんなに嫌いじゃなかった。
正直彼を超える「ホールの怪人」は金輪際現れないと思うけども、逆に言うとそれだけ思い出深いという事でして。
今でもたまに思い返しては「今何やってんのかなぁ……」みたいな、ノスタルジィに浸ったりする。
パチスロ辞めてたら辞めてたで少し寂しいし。
今でも日本の何処かでシャカシャカしてくれてると思いたい所存。

●足立が生んだパーフェクトスナイパー「大門」さん

これも実はヅーラ氏と同じ店の人だけども、俺が「大門」さんと勝手に呼んでたおばちゃんも凄かった。ヅーラさんが精神攻撃を得意とする遠隔操作系のスタンド使いだとしたら、大門さんは完全に近距離パワー型。直接的に攻撃してくる感じ。
なんか西部警察の大門みたいな反射式サングラス掛けてるおばちゃんなんだけども、分かるかな大門。一応写真貼っとくと──。


はいコレ大門ね。
ヘリからスナイパーライフルで犯人射殺するからこの人。法治国家にあるまじきワイルドさ。
これにくるくるパーマの髪型のっけて黒いドレスみたいなの着せたら「大門」さんの出来上がりなんだけども、まあ面白い事に「大門」さんの戦闘スタイルは西部警察の大門と完全に一緒で、スナイプしてくるんだよね。ずっと待ってんだよ。カマ掘るの。なんかねー、基本ずっと打たないんだけども、お店の奥の休憩所みたいな所で虚空を睨みながら座ってて、誰かが離席したら回転数も見ずに座るんだよ。そして1K使ってはまた休憩所に戻る──みたいな。
たぶん「誰かが辞めたあとは当たりやすい」みたいなオカルトを全力で実行してただけだと思うんだけども、大門さんのヤベエところはカマ堀り成功したあとに前任者にめちゃくちゃドヤる所でさ。もうなんかもう「ほーらやっぱり当たったァ。あんた良いところで辞めちゃうからァ」みたいな感じで思いっきりガン見してくるんだよね。プークスクスみたいなジェスチャーつきで。完全にイカれてるんだよ。

これねぇ、たとえそれが完全確率のノーマルタイプであったとしても、何か知らんけどものすごい負けた気分になってさぁ。
それが「番長2」みたいなゾーンありきの台で、例えば自分が完璧な立ち回りで期待値が1番高い、損益分岐点がビターッとする最高の所で辞めたとしても、大門さんがすぐ着座して年寄り特有の謎の引きでフリーズ引いたりしたら物凄い勢いで負けた気分になるの。
なんせ大門さん、たまに前任者にコーヒー呉れてたからね。
「あんたのおかげ」感出してくるんだよ。
これほんとやだった。
普通パチスロってお店と自分の戦いじゃん。
でも大門さん居るときは大門さんとの戦いになってたし。
あの人がいる間は絶対に辞めねぇ、みたいな。
何回そのトラップを食らって余計なゾーン回したことやら……。
そういう意味ではお店にとっては座敷わらしみたいなもんだったのかもしれないけどもさ。
ちなみに前述の「ヅーラシェイカー」さんも「大門」さんにはちょっと一目置いてて、何回か休憩室で談笑してるところを目撃したことがある。
なんかまあ、スタンド使い同士が惹かれ合うみたいな、なんかあんだろうね。

●刻め生命のリズム! 「鶯谷のひょうたん野郎」くん。

あと印象深かったのは3年くらい前に2回目撃した事がある通称「鶯谷のひょうたん野郎」くんだ。通称っていうか俺が勝手に呼んでただけだけども。
この人は単純に見てて楽しかった。
なんかねー、多分まだパチスロ初心者だったと思うんだけども、リールの動きに合わせて、自分の耳の横で指を鳴らしてんだよね。パッチンパッチンと。絵ヅラが面白いしうるさいしで、なんか知らんけど超面白かった。しかも2日連続で見かけてさ。2日目見た時無駄にツボって腹筋割れそうになった。

まー、目押し出来ない時って直視じゃなくてリズム押しになるだろうし、俺だって最初凄いリムズ取ってたから分かる。でもそれって、微妙に上半身か、あるいはクビを動かしたりとかでリズム取るじゃん。みんな大体そうでしょ。耳元で指ならすって凄いオシャレよ。カッコいいもんなんか。
バレエのレッスンとかでさー、先生が「アン、ドゥ、トロワ」ってリズムとってるシーンとかあるけど、まーリズム取るのに指鳴らすっていう選択肢もゼロないんだよ。
でもさー、聞かなくていいじゃんねその音。わかんじゃんリズム。なんで耳元でパッチンよと思ったらすげー面白くて大好きになったね。

●大当たりの妖精。「紳士」。

最後に紹介するのは「紳士」だ。
シルクハット被ってる兄ちゃんがいてさ。
ホールでシルクハットって物凄いインパクトじゃん。流行ってたのかどうか知らんけども、まーでもシルクハットが流行ってた時期なんか絶対中世でしょ。しかもヨーロッパでしょ。平成の足立区だからここ。とか思って「世の中には色々拗らせてる人がいるなぁ」って打ってたのね。
それだけだったら「シルクハットの兄貴がいた」だけで終わるんだけども、なんか彼、ホールをめちゃくちゃ歩き回ってるのね。何回も後ろ通るんだよ。そして彼が後ろを通るたびにペカるんだよ。マジだからコレ。3回くらい続いて流石に怖くなってね。あれこれもしかして……──。

「果たして俺以外の人間にあのシルクハットの人は見えてるんだろうか」

みたいな気分になって、いよいよゾッとしたの覚えてる。
あんまり印象深かったんで、しばらくはその店でハマるたびに「紳士来ないかなぁ」みたいな感じでホールでキョロキョロしてたもんだった。
今でも探しちゃうもんね。そのお店行くと──。

うむ。

さて。いかがだったでしょうか。
「ホールの怪人」。
まだ正直めちゃくちゃ一杯いるんだけども、その中でも特に印象深かった人々をピックアップしてみた。
なんかねー、長く打ってると絶対みんなにも忘れられない人って出来ると思うんだよね。
居ないと思うのはホント、こっちが摩耗しちゃってるだけで。
ぶっちゃけねぇ、俺はパチスロを打つっていうより、その行為に付随するこういう面白い思い出のほうが人生にとってインポータントだと思っていまして。

そうじゃないと、そんなリールばっかり何十年も見続ける事はできないじゃんね。
だから俺はもう、こういう愛すべきホールの怪人たちに言いたいね。
みんなひっくるめて「パチスロ界隈」だから、今後も仲良く打ちましょうねと。
パチスロが無くなる、その日までね。

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コメント

  1. 師匠2 より:

    パチスロが無くなる日かあ。多分自分の寿命の方が短いから死ぬまでは打てそうだなw

  2. 焼きたての紳士 より:

    ウチのホールにも居ます。
    季節問わず肩までまくったTシャツをジーンズにインして、ひたすらおしぼりを配る人がいます。
    そんな謎行動が気にならないくらいTシャツのセンスは高い。
    「DARK HORSE」そうTシャツに書いてあるから。

    • ashino より:

      焼きたての紳士さん
      チワッス
      やばッw
      それいいすね。レポートしたい。
      え、てか客に配ってるんですか??

      • 焼きたてのヅラ より:

        お客さんに配ってますw
        もしかしたら取材で訪れる機会あるかもしれませんね。
        有名なお店なんでw

        • ashino より:

          焼き立てのヅラさん
          チワッス
          名前ww まじかー。ちょと取材で見かけたら話しかけてみますww

  3. マイク より:

    ヅーラシェイカーさんキタ━(゚∀゚)━!

    • ashino より:

      マイクさん
      チワッス
      イエア! ヅーラさん。
      なにげに人気キャラ。
      実際あったら腹たちますよ! えへ

  4. ひろくま より:

    ヅーラシェイカーさんキターwww
    懐かしいw

    • ashino より:

      ひろくまさん
      チワッス
      ヅーラさん俺も数年ぶりに思い出しましたw
      今何やってるんだろうなぁ……