日本のドラマは好きじゃないのに。

日常

 日本のドラマ。みんなちゃんと観てますか。俺はねぇ、観てなかったんだよよねぇ基本的に。なんかそんなに面白くないじゃないか。海外のドラマとか映画とかと比べると、やっぱ掛かってるお金とかも違うしショボい気がしてねぇ。こういう事を言うとホントそういうのが好きな人からめっちゃ怒られそうなんだけども、これはもうそれぞれの価値観みたいな話になるから、しょうがないのサ。

 これって特に海外映画好き……特にハリウッド映画ファンに良くある食わず嫌いだと思うのね。もはや食わず嫌いとかいってるけども、何を隠そう俺もこの歳にして日本のドラマにどっぷりハマり。過去の名作を手当たり次第観まくっておる次第。

 発端は嫁さんから薦められて松本穂香さんの「この世界の片隅に」を観てからだと思うけども、あんまりしつこく言うから仕方なく観はじめた……というのがスタートだった。

 この年代の男子にはきっと分かってもらえると思うけども、映像作品には「爆発」か「血糊」か「ゾンビ」が出てこないと基本的には面白くない。あとは「ドリル」とか「巨大生物」とか。逆に言うとどんなにストーリーが雑でも役者が大根でも、デカい生き物が爆発したりドリルで掘られたりするとそれだけでもうガッツポーズというか。そいういうカタルシス、日々の鬱憤の発散だぜみたいな爽快感を求めて観ているわけで。心の機微であるとか主人公の成長であるとか、そういうのは面倒くさいからもう要らんのですよ。

 そもそも俺が青春時代を過ごしておった時期がちょうどエアポケットの如くドラマがあんまりおもしろくない時期だったのかも知れん。だいたいキムタクがチョマテヨとか言ってた時期だったし、それはもうしょうがない。当時のドラマは若い女性に完全に舵を切っておったし、しかもそのちょっとあとには海外ドラマの金字塔「24」が出たりとかさ。明暗が別れすぎてるから、男子は日本ドラマ観ないよもう。仕方ないことだった。ビューティフル・ライフとかロンバケとかラブジェネとかも今見れば面白いのかも知れんが、まあそれを受け入れる事が出来るかどうかって、世代であるとか性別にものすごく左右されると思う。少なくとも俺はそこから外れていた。

 で、嫁から薦められるままに観た超久々の和製ドラマ「この世界の片隅に」だけども、びっくりするくらい面白かった。これがあしのが39歳(当時)にしてジャパニーズテレビドラマに一気にハマるきっかけになった作品であった。

めっちゃ面白いじゃん全部!

 和製ドラマの可能性に気づいた俺は、そこからフリーライターの役得を存分に活かして(つまり暇な時間がめちゃ多いからね)、過去の名作をモリモリ観る事になった。いまはサブスクリプションで有名なドラマを後追いでいくらでも見れるゆえ、お金も掛からない。で、だいたい全部すげー面白くて衝撃を受ける事になった。それ以来暇な時間があればだいたいずっとドラマみてるけども、折角なので皆さんにもオススメしたい。有名なドラマばっかりなんでいまさら何いってんだと思うかも知れんが、それはそれで良い。知らん人は是非。見てくれ。この感動を伝えたい。いくぜ!

●家政婦のミタ

 これはNHK朝ドラ「なつぞら」の旦那役である中川大志くんが少年時代に出演してた作品という事で観たけども、観終わったあとは中川どっかに飛んでった。まずストーリーが不穏ですげぇいい。ミタさんのスーパー家政婦っぷりは現実味がなさすぎて選り好みがあるかも知れないけども、中盤までホラーなのかコメディなのかヒューマンドラマなのか、ジャンルすら分からない構成がめちゃ面白かった。あと後半のとある話での独白シーン。松嶋菜々子の演技力にぶっ飛んだ。役者と役ののシンクロというか、演じるってこういうことなんだなァと初めて理解できた作品。必見だ。

●女王の教室

 上記「家政婦のミタ」と同じ脚本家の作品。子どもからみた「絶対的な能力もつけど冷たく振る舞う大人」というテーマとしてはこっちの方がよりストレートかも。天海祐希が美しいし志田未来が可愛い。これもジャンル分けがあやふやで、漫然と観てるとたぶん不安になる。でも凄く面白かった。これ系の作品ではおそらくエクストリームな位置にいると思う。実際、志田未来への仕打ちはもうちょっといけば虐待だし。世が世ならクレームくると思う。少なくとも今は放送出来ないと思われる。家なき子とかもそうだけどもね。

●家売るオンナ

 メンタリストでも千鳥でもないウィッシュの方のDAIGOの嫁、北川景子の作品。「不動産屋」をテーマにしてる、というシチュエーションありきの一点張りかと思いきや、登場人物のキャラの奇抜さで徹頭徹尾押し切ってる感がある。プロットとしては「ハケンの品格」と同じで超絶有能だけど何考えてるか分からんオンナが活躍する系。ただ北川景子の演技がぶっ飛んでて大変笑えるので最後まで無理なく見れるし応援したくなる。ショボい上司に仲村トオル、部下に工藤阿須加を持ってきたのは制作陣の勝利。ココロちゃん役の臼田あさ美が可愛いのもオッサン的には癒やし。

●重版出来!

 初見では全然思わなかったけど、見れば見るほど主演の黒木華が可愛く見えてきて仕方なくなるイリュージョンを体験できる作品。最終回まで見ると国民全部彼女にメロメロになるはず。決して美形ではないのになんでこんな魅力的なのか全然わからん。未だに分からん。そして今後も分からん。けどそういう女優さんなんだと思う。あと、原作の漫画を忠実に再現! というと基本的にはストーリープロットを指すのだけども、このドラマは役者もだいたい再現しててびっくりする。特に安田顕演じる「安井昇」は笑えるほど原作通り。役者魂を感じる。というかサイドを固める登場人物全員そうだけどね。これは原作を読んでからの方がより楽しめるかも。

●宇宙を駆けるよだか

Netflixのオリジナルシリーズ。元は少女漫画らしいけども、ざっくり身体と精神入れ替わり系の話。陳腐っちゃ陳腐だけどもこれ系では出色の出来ですげぇよかった。なんせ主演の富田望生がそのまま、髪型と表情だけで不気味なデブからキュートなヒロインまで演じ分けてて圧巻だった。見た目変わらないのに最終的にめちゃ可愛く見える。これは監督が偉いのか富田さんが凄いのか良く分からんけども、その後の彼女の活躍をみると、おそらく富田さんがすげぇ人なんだと思う。SFとしてユルユルなので頭くる人は来ると思うけども、正直これに関してはストーリーはどうでもいいと思う。俺も途中からどうでもよくなった。


●探偵が早すぎる

 1stシーズンはギャグなのか真面目なのか微妙なまま終わるけども、Hulu版まで観た上でチェインストーリー(だいたい全部アドリブでやる番宣動画)まで観ると「ああギャグだったんだな」と分かる作品。滝藤賢一と広瀬アリス。そして水野美紀という組み合わせがこんな笑えるとは思えなかった。短い作品なんで是非どうぞ。ああ、一応注意しとくと、一話目でしっかりミステリしてるなぁと思って同程度の謎解きを期待してると肩透かしを食うので、あんまりハウダニット的な謎解きに期待しない方が良い。それ以外が面白い作品です。

●俺の話は長い

 なんかよく分からんままに始まりそしてよく分からんままに終わるけど、なぜかめちゃくちゃ面白かった作品。最終的にニートが初出社するだけで泣かせる作品は未来永劫これ以外に出てこないと思う。これの何が面白かったか説明しろと言われても俺には出来ない。ただ、例えばこれがあと200話ありますと言われても俺はたぶん全部観ると思う。そんな作品。これは絶対日本のドラマでしか実現できないし、こっちの方向に邦ドラの未来はあると思う。爆発も血糊もドリルも、ゾンビも麻薬もマフィアも出てこないけど、これはこれで全然いい。ドラマというよりもシチュエーション・コメディに近いかも。サザエさん的な見守り系の楽しみというか。うまく言えんが超良かった。



 うむ。こんな感じ。もっといっぱいあるんだけども、焼酎飲みながら書いてたらもう限界きた。これでヨシ。とりあえず日本のドラマは海外のそれとは方向性が違うし、一緒にしちゃだめ。そりゃ作品のクオリティで考えたらブレイキング・バッドとかの方がずっと上だけども、それってカーリングと相撲で勝負しよう! みたいな事言っているのと同じで、そもそもジャンルも方向性も違う。だからどうしても邦ドラマに抵抗ある……という人でも、違う競技だと思って観て欲しい。何見ればいいかっつったら、とりあえず上の作品みとけば間違いないよ。俺がみて面白かったんだからね。

 本日の仕事は再来週掲載予定のななプレスさんのパチンコ記事制作。あとはめおと船の来週分を半分くらい。あとパチ7さん用のショートショートをちみっと。来週の良く分からん仕事の打ち合わせ。アップされた作品はなし! 以上。またー。

 

コメント