※こちらのエントリは執筆時期不明。2つ前のlivedoor Blogでやってた時代のエントリを5suro.comの方にサルベージした時期が2015年頃。その前はもう分からん。2012~2013年頃のどこかだと思われる。
世の中にあまねく存在する多種多様なパチスロたち。
生命の氾濫。爆発する多様性。
進化と淘汰、適応と逸脱。
人類の叡智は打ち手を惹きつけて已まぬ驚くべきシステムの数々を生み出し、やがて模倣を経て洗練を重ね、歴ごとに、誰もが予測していなかった脅威の出玉システムが次々と現れては、ひっそりと消えて行った。
──その爛熟は四号機中期に最盛を迎え、そうしてお上の逆鱗に触れるや、カンブリア末期の大量絶滅の如くして。
刹那の間に終わってしまった。
そう。パチスロ冬の時代の到来である。
高純増ATはおろか、ストックや、さらにはリプレイはずしまでも封じられた怒涛の機械割105%時代。
クッソ重いボーナスにオマケ程度の減るRTが付いてくるだけの台を死んだ魚のような目で打つスロッターたち……。
当時のスロッターの誰かが思った。
ミリゴが打ちたい。
あるいは、誰かが思った。
金太郎が打ちたい。
そして中には、こう思った者も居る。
──ヒデキでもいいからもう一回打ちたいな。
オケ。壮大な出だし。
今回はオリンピアが2005年にホールにブチ込んだストック機。「ヒデキに夢中!!」について。
ヒーウィーゴー!
●どんな台だったか。
もう名前から分かると思うけども、この台は「西城秀樹」とのコラボ台だった。
当時は芸能人タイアップ物の全盛期で、「エノカナ」とか「花田勝」とか「おさる」とか「ガッツ石松」とか「ジェロム・レ・バンナ」とか。
うっかりすると「梅宮辰夫」とか「北島三郎」レベルの大物も普通にタイアップしててなかなかカオスな時期だった。
だので、いまさら「西城秀樹」がきても何てことは無かったというか、スロッター側としても覚悟が完了してた感じではあったけども、実際にホールでパネル見た時は意外と衝撃だった。
パネルがどうみてもヒデキでさ。
しかも「YMCA」を意識したアメリカンな配色がすげーバカバカしくて、ヒデキ感が凄い。
というか使われてる曲が若いころのやつだし演出とかもありし日の、人気絶頂期のヒデキをモチーフにしてんだから、パネルの写真ももっと昔のにすりゃいいのに、なにゆえそこだけ微妙に現行バージョンのヒデキなのか。
パネルだけナウのヒデキとか本人もどうなのかねこれ。
まあいいや。
とりあえずサクサクシステム説明すると、「ヒデキに夢中!!(以下、ヒデム)」はチャンスゾーン経由でボーナスを放出するタイプのストック機だった。
チャンスゾーンはループ式になってて、なんとなく同時期のオリンピアの「お見事サブちゃん」を連想させるけども、中身は「ビーストサップ」の方が近い。
でもこっちの方が全然爆裂機寄りだったように思う。
CZの突入契機は御多分にもれず「チャンス目」だけども、その他にも「中チェ」やら「ジャックハズレ」、あとはボーナス中の強ハズレなんかもCZ確定だ。
この辺は同時期の台は大抵似たようなもんなので割愛。
とりあえずCZにぶち込んでRT解除してボナを揃える。
それだけ覚えとけばなんとかなる。
で、正直もうシステムとかどうでもいいんだよ、この台に関しては。
俺が言いたいのはただひとつ。
これ、CZの名前が「ギャランドゥ」なんだよね。
それだけいいたい。
あとはもうギャランドゥ問題についてだけ書く。
スロの話おしまい!
●ギャランドゥ
そもそもギャランドゥ知らない人も居ると思うから軽く説明しとくと、これは西城秀樹のヒット曲のタイトルなのだ。
作詞作曲は「もんたよしのり」なので、とりあえず「ギャランドゥ」という響きのバカバカしさとかそういうのについての戦犯を決めるとすると、もんた氏ということになる。
ゆえに厳密にいうとヒデキには罪はないんだけども、実際に「ギャランドゥってなんだよ」という質問の矢面に立たされたのは当然ヒデキでありまして。
たぶん彼、「ギャランドゥって何すか」って質問に、軽く2万回は答えてると思うんだよね。
「いや、わかんないす」って。
実際、ギャランドゥって造語らしくて、意味なんかねぇんだ。
ヒデキとしても「俺に聞くなよもんたさんに聞けよクソが」って超思ってたと思うし、事務所も見かねて「ギャランドゥは『ギャル・アンド・ドゥ』の事です!」とか苦し紛れの解釈だしたりして騒動の沈静化を計ったりしてたらしいけども、まー、世間は納得しないわけで。
んで、往々にして「行き場の無い疑問」って答えを求めてどっかにぶち当たるや、そこにグリグリとドリル状にハマって、そして「常識」という形で固定化されるのね。
ギャランドゥの場合、世間の疑問は「ヒデキのヘソ毛とチン毛の中間点」に固定化されて、そして常識へと転生した感じ。
要するに、ヒデキのチン毛の延長線上のヘソ毛の事を、世間は「ギャランドゥ」と呼び始めたのです。マジで。
この辺はもう若い人にはさっぱり分からんと思うけども、たぶん俺と同年代くらいの人はギリギリで聞いたことあると思う。
俺とか結構こまめに体毛の処理するんだけども、乳首の毛は「乳首毛」だし、キンタマの毛は「タマ毛」って呼ぶけども、ヘソ毛のことは「ギャラン毛」って言うもんやっぱり。
あー、そろそろギャラン毛抜いとくかー。とか風呂場で言うもんね。
ヒデキは体毛が濃い。
んで半裸で歌うんで、ヘソらへんからチン毛の延長の毛が見えてたのね。
半分チン毛見えてるアイドルが「ギャランドゥ! ギャランドゥ!」とか謎の呪文唱えてるもんだから、世間はそりゃあ困惑する。
なんなんだ? ギャランドゥって──。
折しも日本はバブル直前。
輝かしい時代だよ。
東京タワーの見えるホテルの部屋。
キングサイズのベッドに、バスタオルだけ腰に巻いた男と、同じく半裸の女が寝そべっててさ。
女が男の胸板に顔を載せて、指先でヘソのあたりを撫でて手遊びしてて──。
そしてそのヘソの下の毛を摘んで、ちょっと笑うんだ。
「ウフフ。あなたのここの毛……ギャランドゥの時の西城秀樹みたい」
こういうやりとりが日本全国で何千何万と繰り返されるウチ、たぶん「これもう、ギャラン毛でいいんじゃねぇかな」ってなったんだろう。
美しい話だ。
ちなみにスロの方のCZの名前は「ギャランドゥ」だけ。
タイムとかチャンスとかゲームとか付いてない。
ただシンプルに「ギャランドゥ」。
雑誌の攻略記事とかじゃ普通に「ギャランドゥB終了後は66%でギャランドゥAがループするぞ!」とか書いてあって、なんかもうバカバカしくてすげーよかった。
これ思うに「タイム」とか「チャンス」は確定っぽい名前だし、このシステムのCZにつけるなら「ゲーム」だろうけども、そしたら「ギャランドゥゲーム」っつって絶対「ギャランゲ」って略されるし、さてどうしたもんか。みたいな逡巡が見て取れて結構面白い。てかそうであってほしいです。
ちなみに俺は今ギャラン毛は抜く派。つるつるです。
【2020年のあしの評】
これ実は自分ですげー好きなエントリ。今読むと「ギャラン毛」って書きたいだけで最後まで突っ走ってるのが手にとるように分かってほっこりする。ちなみに西城秀樹さんはその後2018年に死去。これにより「ヒデキに夢中!!」の続編制作はお蔵入りになった。もともと計画されてねぇけど。
コメント
懐かしい…あしの評もまたw
リラゴさんチワッス。
ただ移植するのもあれなんで、選評つけときましたw